数年順調に断酒を続けた僕は旅行に出かけた時に生ビールの中ジョッキを1杯飲んだ。
これだけ止めたのだから、1杯くらい大丈夫だろうとアル中がよくはまるパターンに例外なくはまった。
しかし、アルコールに鈍感なのか生ビールの中ジョッキ1杯では飲酒欲求も起こらず、あたかもコントロールできたかのような感じであった。
これがまずかった。
アルコール依存性は一杯飲んだら逆戻りと思っていた僕はアルコール依存性ではないのではないかと隙が生じた。
しかし、アルコール依存性は一杯飲んだら逆戻りは正しかった。飲んですぐに逆戻りはしなくても、もう少し長いスパンで見たら確実に逆戻りしているのである。それに気がつくのはもう少し後であった。
そしてまた、半年くらいは飲まずにいたが、大学時代の友人と会った時に飲んだ。中ジョッキ1杯が大丈夫だったから大ジョッキくらい大丈夫だろうと思った。
しかし、大丈夫でなかった。
早いペースで大ジョッキを1杯飲んだら、もう1杯で済まず大ジョッキをもう1杯頼んだ。そうしたら、そこからブラックアウトし、その後はお約束である。色々とやったらしい。
最終的に友人はタクシーに乗せてくれたらしいが、降りたか、降ろされてか、飲んでいた銀座にいた。そして気が付いた時は保護されて警察署の中にいた。
また、翌日は友人にメールし、物凄い罪悪感に苛まれながら、自分の行動を聞かされた。その友人には警察署にいたとは言えなかった。
そして、また反省し断酒をした。
しかし、やはり結婚式などで生ビールの中ジョッキ1杯までは大丈夫だったので懲りずに飲んだ。めでたい席だしという言い訳とともに。そして大丈夫のように思えた。その時は。
しかし、暫くすると生ビールの中ジョッキ1杯から2杯になった。そこも大丈夫に思えた。その時は。
また、しばらくして3杯になった。
ここも大丈夫に思えた。その時は。
4杯になると大丈夫に思えたが、酔った感じがして微妙だった。
よし3杯までは大丈夫だなと判断した。
ここで1杯が3杯に大丈夫な量が増えていた。心の何処かでまずいなという思いはあったが、機会飲酒なら大丈夫と勝手な解釈をした。
そして前回のスリップである。
前にも書いたが、僕はアルコール依存性であることを心の何処かで否定し続けていた。
しかし、立派なアルコール依存性である。もしかしたら症状は軽度かもしれないが、軽度であってもアルコール依存性はアルコール依存性なのである。
そして、どんな理由でも、飲んでいい理由はないのである。
前回のスリップでやっとそのことを受け入れた。
さて、これで飲酒歴は終わりです。
気づかれている方が多いと思いますが、この飲酒歴はさらっと書いたので、酔った時の僕個人の醜態や友人の醜態、またその両方の醜態は殆ど書きませんでした。
いずれ書いた方がいいと判断したら記事にしたいと思います。
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